カグの樹の脚

つばめ綺譚社の紺堂カヤの小説『カグの樹の脚』を連載形式で順次公開してゆきます。

2017-05-21から1日間の記事一覧

連載第十二回 身代わり

モモは目が覚めると、起き上がるのを試みる前に体の自由が奪われていることに気が付いて、大きくため息をついた。腹がひどく傷む。みぞおちに拳を一発、という実にシンプルな方法で気絶させられたものらしい。手首を麻紐のようなもので固く結ばれている。背…