カグの樹の脚

つばめ綺譚社の紺堂カヤの小説『カグの樹の脚』を連載形式で順次公開してゆきます。

2016-11-03から1日間の記事一覧

連載第二回 透明な絵具

翌日の朝8時ちょうどに、時計広場へ行くと、モモはすでにやって来ていた。ペシェの顔を見るとちょっと眉を動かしたが、何も言わなかった。昨日の、親しげな感じとは随分違う。 「おはよう……」 「おはよう」 挨拶は返してくれたので一応は安心して、ペシェは…