カグの樹の脚

つばめ綺譚社の紺堂カヤの小説『カグの樹の脚』を連載形式で順次公開してゆきます。

2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

連載第十四回 脚

「その答えすら、私にはもう差し出せない」 口が、勝手に動いた。けれど不思議と、体が乗っ取られているとか、操られているというような感じはなかった。「ただ、これだけは」 自分にこんな声が出せるとは思わなかった、と驚き、そして気恥ずかしくなるほど…